ゆうくんへの手紙

「これからは好きに生きていってください」
ゆうくんの言葉で私と彼の縁は終わりました

奨学金を受けて進学したい」
これが全ての始まりでした

母(私の姉)が働きに出てなんとか暮らしてる状態の下での決意表明でした 彼の父親のリストラやパチンコ好きもあるうえに、3つ下には高校受験を控えた妹もいたことなど家庭状況は深刻でした

後日、姉から「血縁が近く、定職に就いている保証人が要る」との打診を受け即、承諾。

ゆうくんの夢「弁護士になって自分のような家族を救いたい」こんなことを小学校低学年のころから言ってる子でした。

自分が進学しなかった(成績や内申書の都合)こともあり、彼が自分の夢を叶えられるように応援していたのです。

努力の結果、国立大に合格! 少しずつ夢に近づいているのを感じます。
卒業後は法科大学院へ進学し、詳しいことはわからないまでも夢の実現というゴールへひた走っていると思っていました。

そして迎えた最初の司法試験は「サクラチル」 3回のチャンスがあると聞いてたこともあり「次、次」(1回で?そう上手くはいかんやろ~)。

2回目も同じく「サクラチル」 まだ余裕を持ってました(もう1回あるしー)。

そして3回目…夢は叶いませんでした
彼自身、様々な葛藤があったと思いますが、司法試験への挑戦は終わりました。
母親思いの彼にとっては姉の希望を叶えてあげられなかったことが一番辛かったのではないかと思います。

その頃私には小さな出会いがありました。
某お見合いサイトで現在のパートナーと知り合ったのです。

当時、彼女は府立高校で進路指導の補助(キャリアコンサルタント)業務に携わっていたため奨学金にへの理解があり、当時は表面化していなかった内幕(?)にも精通していました。

この時点で初めて「奨学金」そのものについて知ることになりました。「名前は知ってるけど…」程度の知識しか持たない私に呆れながらも、奨学金の仕組みについてきっちりと、わかるように説明してくれたのです。

そして導かれた結論は「奨学金とは呼び方を変えた借金である」でした。

考えてみればそうです。社会へ出ると同時に数百万円の返済を義務付けられる。
総額や月々の返済額によって多少の違いはあると思いますが、毎月、数年から10何年も続いていくのです。

妹の分も含めた1000万以上の保証人…

人生の中でも一番身体の動く、チャレンジも思いのまま! 欲しいモノも出てくるでしょう。彼氏、彼女とお付き合いも始まる、そしてその先には…夢は広がるばかりです。

それが「お金」に縛られてしまう。行動を制約されてしまう。病気になるなんて想像したくない。
彼の不安定な立ち位置をやっと理解できた瞬間でした。そして同時に自分の無理解も。

自分の場合で例えるなら額は違うけれどマイカーローンか…
充分支払えると思って契約したのに、不意の出費でピンチになったり、支払いが滞れば督促状が来て最悪の場合は差し押さえ!ましてや自分には蓄えなど全く無い状態でした。

姉の言うままに動いていた私は決断しました「保証人の辞退」となんと言われようとも「一生をパートナーと過ごすこと」を

一瞬で私たち姉弟の関係は暗転しました。「二度とウチの敷居をまたぐな!」激昂する姉をなんだか冷静な目で見ていたのを覚えています。自分自身が不安定なのに限度を超えた荷物は背負えない これが理解してもらえない 会ったこともないのに「そのオンナに騙されてる!」と言い出す始末…(会ってと頼んでも猛烈に拒否された。ちなみに現在も実現していません)

私の母親からは姉に謝罪するよう強要されたのみでした。彼女なりに家族の絆を考えたのでしょうか…私には母親の真意が理解できませんでした。

ゆうくんと妹を傷つけてしまったことは理解しています。が、私が保証人となり奨学金を受けたことで二人の進学は叶いました。
そして卒業できたことで私の役目は終わったと考えるようになっています。
「あなたの夢を実現するための資格(学歴)は提供できました。あとはあなたたちの力です」乱暴な言い方だとこういうことです。
アホでええカッコしいの叔父からのエールです。

これからは自分の幸せを第一に考えます。
私はパートナーと居ると幸せだー!と実感しているからです。
一緒にカフェや買い物に出かける
仕事から帰宅すれば可愛く迎えてくれる(こともある!?)また気配りも忘れない

今では当たり前のようになっているけど、こんなに心地よいモノなんだ…
パートナーに対して感謝の気持ちを持ち続け、かつ守る責任を持たせてもらえた。

今の私は生涯の中で最も「人間らしい生き方」をしてます。これからもそうあり続けたいと真に願います。


P.S 冒頭の言葉の後、「父親の代わりに遊んでくれてありがとう」と言ってもらえてスゴく嬉しかった。
つい最近気が付いたんですが「父親に遊んでもらう」のは私が父親にやってほしかったことや!と それを自分は無意識にゆうくんにやってただけなんだ(笑)とわかった。

私と父親との関係はゆうくんのおかげで解消できました!
「こちらこそありがとう」


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